『田園の詩』NO.92 「花木をめでる」 (1999.1.5)


 町に出ると、本屋に立ち寄り、それからホームセンターで買い物をするのが私のお決
まりのパターンです。

 大工道具や電気類、ペットの餌、野菜の苗や肥料など、久しぶりの買い物の時はメモ
を片手に沢山の品物を揃えます。忘れ物をしたら、また出てくるのが大変だからです。

 毎年のことですが、クリスマスまではポインセチヤの鉢植えがずらりと並び、それが終
わればすぐに正月の飾り物に入れ替わります。

 大小様々な≪しめ縄≫とともに、松竹梅と福寿草を寄せ植えにした盆栽も登場します。
さらに、センリョウ、マンリョウ、ナンテンなどの正月用の花もお目見えします。


      
    黄色のセンリョウです。大きな株に育ち、毎年、沢山の実を付けてくれます。
     お正月の花用に重宝しています。  (07.12.20写)



 ところで、これらの木や花は、昔から縁起の良い庭木として好んで植えられてきました。
松竹梅は今更いうまでもありませんが、ナンテンも「難を転ず」という意味を持たせて欠
かすことのできないもののようです。

 反対に、庭には植えてはいけない木や花もあるようです。近隣の人に聞いてみたら、
いろんなものがありました。

 当地の言い伝えなので、日本中同じかどうか分かりませんが、まず一番に上がったのは
ビワの木でした。なんでも、風が吹くと枝や葉が擦れる音がうるさく、しかも「ビンボウー、
ビンボウー」と聞こえるというのです。

 他にも、ヤツデ、ハクモクレン、ツバキ、フヨウ、シキビ…など次々と出てきます。縁起を
気にしない人や言い伝えを知らない人はともかく、多くの人は結構忠実にこれらを守って
います。

 しかし、これには例外があり「お寺は何を植えても良い」のだそうです。だからかどうか
知りませんが、もともと、わが家(寺)には立派なビワやツバキの木があります。

 そして、私自身も迷信など全く気にしない性分なので、ハクモクレンなど四季を彩る花木
を家の周りにいっぱい植えました。

 毎年、それらは奇麗な花を咲かせ実を結びます。天候によってそれなりの違いがあり
ますが、そこがまた面白いところです。

 平成11年はどんな表情を見せてくれるのか・・・楽しみです。 (住職・筆工)

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